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江戸時代(前期)

前田正甫(まさとし)

置き薬の歴史は古く、約300年前の富山十万石の二代目藩主前田正甫公(1649-1706)の時代が発祥と言われています。 正甫公は、病気に苦しむ人々を救うため、「反魂丹」などの製薬に力を注いでいました。

「置き薬」発祥の事件!

正甫公は元禄3年(1690年)江戸城において、三春藩主・秋田河内守が腹痛を起こし、苦しむのを見て、印籠から「反魂丹」を取り出して飲ませたところ、たちまち痛みが治まったというのです。この光景を目の当たりにした諸国の藩主たちは、その薬効に驚き、各自の領内で薬「反魂丹」を売り広めてくれるよう正甫公に頼みました。この「腹痛事件」が発端となり、富山の薬は全国的に知れ渡りました。

「先用後利」の誕生

正甫公は、領地から出て全国どこででも商売ができる「他領商売勝手」を発布。同時に富山城下の薬種商・松井屋源右衛門にくすりを調製させ、八重崎屋源六に依頼して諸国を行商させました。源六は、「用を先に利を後にせよ」という正甫公の精神に従い、良家の子弟の中から身体強健、品行方正な者を選び、各地の大庄屋を巡って薬を配置させました。そして、毎年周期的に巡回して未使用の残品を引き取り、新品と置き換え、服用した薬に対してのみ謝礼金を受け取ることにしました。こうして、現在のクレジットとリース制を一緒にしたような「先用後利」の画期的な販売システムが登場したのです。

「先用後利」という考え方

まずはお客様に喜ばれる効き目のある良薬を作り、それを薬箱に入れてお客様に預け、次回の訪問の時に使った分だけ代金を請求するという優れた新規開拓の仕組みです。良薬を作り、まずは効き目のある薬だと納得してもらってお客様から信用・信頼を得ることが先決であり、一度使って効き目があったら、信用・信頼を得て代金を支払ってもらえるし、その後も使うだけでなく、売薬人に体調不安を相談してもらえるかもしれないという考え方です。

写真提供:株式会社広貫堂

現代

現代へとつながる「先用後利」の精神

江戸時代に始まった薬売りの伝統は近代に入っても引き継がれ、明治~大正~昭和~平成と、その基本となる精神をしっかりと受け継いできました。

昭和30年代に入ると、薬業界全体の生産が活発になり、著しい伸びを示しましたが、昭和36年から始まった国民皆保険制の実施で、国民はちょっとした病気でも医者にかかるようになり、このため国民医療費の増大という新たな財政上の問題も浮上して参りました。
こうした状況の中、軽い病気は自分で治すという「自己治療」の考えが徐々に浸透しました。

置き薬の未来をつくる存在へ

現在の配置薬業は医薬品とともに健康関連商品をも総合的に供給するシステムとしてさらに発展しようとしています。薬や医学の情報、知識が豊富な現代人の健康管理に置き薬が一役買っているのです。
私たちエリーゼ薬品は「先用後利」の精神を引き継ぎながら、お客様
の生活に適合した「置き薬の未来」をつくる存在で有り続けたいと考えております。


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